外壁塗装を行う際に注意しなければいけないのが塗料です。しかし、一般の人にはよく分かりませんよね。そこで、塗装歴35年この道ひとすじの瀬戸塗装が、はじめての方でもわかりやすく、楽しく塗料の説明をいたしましょう♪
1.塗料の種類
外壁塗装の塗料には、大きく分けて2種類の塗料があります。『下塗用塗料』と『仕上げ塗り用塗料』です。それぞれについて、説明をいたしましょう。
2.下塗り塗料
下塗り用の塗料とは、読んで字のごとく「下塗り」のための塗料です。「3度塗り」という工程の中で1番最初に活用する塗料です。
ところが、一概に「下塗り」と言っても、いろいろな壁材がありますので、それぞれに合わせた「下塗り用塗料」があるのです。そして、その上、痛み具合に合わせても若干、使い分けたりします。
・サイディング壁
サイディング材の中でも近年最も普及しているのが「窯業系サイディング」です。
◎使用する下塗り塗料
・サイディング用シーラー系
・サイディング用サーフェーサー系
水性や油性、1液タイプや2液タイプなど細かく分類することもできますが、主にこの2種類になります。「メーカーカタログ」にきちんと「適用下塗材」と記入されてるものを選定します。
・モルタル壁
モルタル壁は昔ながらの外壁材です。現在では、窯業系サイディングが主流となっていますが、昔はモルタル壁が大半を占めていました。特徴としては大壁を形成できることです。サイディングのようにコーキング目地が入らないのも特徴です。
しかし、反面ひび割れしやすいというデメリットもあります。そんなモルタル壁のデメリットをカバーしてくれる下塗り材が『微弾性フィラー』という下塗り塗料です。粘度が高く細かいひび割れなどは微弾性フィラーが埋めてくれますし、多少の伸縮にも追従できる特徴があります。大変多機能的に幅広く使用されます。
ただ、気を付けなければいけないことがあります。広い面を塗装する際は、繋ぎ目が出やすくムラになりやすいということです。繋ぎ目やムラを出さない為に、工夫して塗装することが重要で、プロの技が光る部分とも言えるでしょう。
・ALC
ALCはAutoclaved Light-weight Concreteの略で外壁材の名前です。発泡剤で多孔質化した軽量気泡コンクリートのことです。 板状にしたものはALC板あるいはALCパネルといいます。 軽量で施工、加工が容易で、断熱性・耐火性も高く、主に鉄骨造や木造建築に使用されています。気泡が多いため水分を含みやすい外壁材なので、塗装やシーリングの補修がとても重要です。ALCの塗装において、下地調整が十分に行われないことが原因で防水性が問題となる事があります。気泡が多いために表面がザラザラしていることが特徴です。
下塗り塗料は主にフィラーを使用し細かい気泡の目がしっかりと埋まるように塗装をしていきます。
・木の壁
木部に関しては、塗料選択に細心の注意が必要です。基本的に自然の物なので劣化が早く、杉、松、ヒノキなど様々な種類があります。それこそ経験がなければ塗料選択を誤ることがあります。
吸い込み具合が木の種類で違いますし、新しい木、古い木でも違います。塗装してあるのかないのか、木目が見えている塗り方をするのか、木目を潰してしまうのかで全く塗料や工法が変わってきます。
木部が使用されている場所や状況によっては、塗装してもすぐに剥がれてしまうこともあります。このような状況の時は板金をカバーしてしまう工法をお勧めします。
・トタン・ガルバニウムの壁
鉄部といわれる金属製部材で、外壁(トタン、ガルバリウム鋼板)、屋根(トタン、折板、ガルバリウム鋼板)手摺、笠木、雨樋の受け金具等いろいろなところで使用されています。昔は鉛丹錆止めが主に下塗りで使用されていましたが、現在では対候性に優れているエポキシ系の錆止めが主流となりました。鉄部は必ず下地調整の『ケレン』という作業が必要でケレンせずに塗装してしまうと剥がれの原因になったり、錆がすぐ出てきてしまったりします。
ケレンとは、錆を落としたり、塗装面の密着をよくするために行う作業です。ワイヤーブラシやサンドペーパー、マジックロンという研磨剤を使って磨いていきます。下地の状態や、部材などによっては電動工具を使用することもあります。
3.仕上げ塗料
「仕上げ塗料」は「耐候性」(どれくらいの長持ちを期待するか)と「機能」(断熱・光沢・等)で分類されいますので、順番に見ていきましょう。
ウレタン塗装
一番安い塗料です。それでも10年は持ちますので、ご安心ください。
シリコン塗料
いわずと知れた人気塗料がシリコン塗料です。塗装業界でも全体の70%程度はいまだにシリコン塗料が現状であり、瀬戸塗装でも、今もシリコン塗料をお選びいただくお客様が多いのが現状です。
特にシリコン塗料の人気は、シリコン系樹脂という安定的な性質の樹脂が特徴であること、適度な耐候性やつや光沢感が高級感があるということ。予算もお手頃であることなどから根強い人気です。
また、最近のデザイン塗装の流れでも、次の塗替えを期待する反面コストを抑える意味でもシリコン系塗料をお選びになるお客様が増えています。
各社塗料メーカーのシリコン塗料製品(外壁塗装用)
塗料メーカー名 | 塗料製品名 |
---|---|
プレミアムペイント | No.1 |
エスケー化研 | クリーンマイルドシリコン |
日本ペイント | ファインシリコンフレッシュ |
関西ペイント | セラMシリコン |
アステック | マックスシールド1500Si-JY |
菊水化学工業 | ビュートップシリコン |
水谷ペイント | パワーシリコンマイルドⅡ |
ロックペイント | ユメロック |
大日本塗料 | Vシリコンマイルド |
フッソ系塗料
次はフッソ系塗料です。「フッソ系塗料」は、昔のアクリル系塗料の3〜4倍程度の耐候性があり、塗料の中で一番長持ちすると言われていました。要するには、フッソ系の化学結合(蛍石)のほうがアクリル結合や、シリコン樹脂のシロキサン結合よりも強いため壊れにくい、だから塗膜が長持ちするという方程式になります。
お選びいただくお客様は、市場全体(日本建築塗装職人の会調べ2022年4月現在)でも10〜15%前後となっております。
各社塗料メーカーのフッソ系塗料製品(外壁用)
塗料メーカー名 | 塗料製品名 |
---|---|
プレミアムペイント | No.1 |
エスケー化研 | セラタイトF |
日本ペイント | デュフロン4Fルーフ |
関西ペイント | アレスセラフッソ |
アステック | マックスシールド1500F-JY |
菊水化学工業 | ビュートップフッソ |
水谷ペイント | パワーフロン#2200 |
ロックペイント | サンフロン |
大日本塗料 | ビューフッソ |
無機ハイブリッド塗料
一番長持ちすると言われている塗料は「無機ハイブリッド塗料」というものです。無機とは石のような無機物を指していますが、ゴムと石を比べてたら、石のほうが硬いのはおわかりいただけますよね。そのようなイメージから、現在では「無機ハイブリッド塗料」が一番長持ちすると言われています。各塗料メーカー耐候性として20年前後を提示しており、施工店の保証制度でも15年前後が提示されています。
ただし、この無機ハイブリッド塗料で施工する方々は、現時点では全体の10%前後。費用面がお高いこと等が挙げられますし、たとえ20年間長持ちしても、デザインは変えたくなるからだと思います。
断熱塗料
そして、断熱塗料です。「断熱塗料」「遮熱塗料」等といろいろ言葉が出てきますが、瀬戸塗装では、一般のお客様に対しては『断熱塗料』で統一しています。言葉尻よりも「わかりやすさ」が大事ですもんね。
効果としては、屋根・壁に塗装することで、夏には3-5度前後温度が下がり、冬も魔法瓶のような効果でお家の中が暖まると言われていますが、まさにその通りになります。
費用面はフッソ系塗料クラス以上になるため、高級塗料クラスに属しますが、体感できる塗料ですので良い塗料で施工してもらった感は満載です。
また、断熱塗料の効果は色彩でも変わります。つまり、淡い色合いのほうが太陽の日差しを反射する断熱効果が発揮されますので、断熱塗料用のデザイン塗装も重要な点になりますね。
各社塗料メーカーの断熱塗料製品(外壁塗装用)
塗料メーカー名 | 塗料製品名 |
---|---|
プレミアムペイント | Magic(マジック) |
日進産業 | ガイナ |
エスケー化研 | クールタイト |
日本ペイント | ファインサーモアイウォール4F |
関西ペイント | ドリームコート |
アステック | スーパーシャネツサーモ |
菊水化学工業 | キクスイガイナ |
大日本塗料 | エコクール |
以上が、外壁塗装の塗料の説明となります。ただし、瀬戸塗装では、お客様は塗料については細かな点までご理解くださらなくて良いかと思っています。(時代によっても変わりますし、メーカーごとにそれぞれ訴求していることが違いますし、また施工店ごとに自分たちの主張が違いますので。。。)
ただ、言えることは、「塗料」は料理で言うと「食材・材料」のようなものです。いくら良い「食材」を扱ったとしても、腕が悪いコックさんでは美味しい料理はできませんよね。一方で、仮に「一般的な食材」でも、腕の良いコックさんが扱えば、一流の料理が出来上がりますよね。
腕が良いか悪いかは、天性の感覚もありますが、やはり、コックも塗装技術者も原点は経験が大事だと思います。
ですから、塗料については大枠をご理解していただくことができたら、あとは塗装歴35年の私たち瀬戸塗装に安心してお任せくださいね。
また、外壁はシリコン、屋根にはフッソとオススメする塗装業者も時々ありますが、瀬戸塗装では、経験則上、 フッソなら屋根・壁フッソ。シリコンなら屋根・壁シリコンという 『屋根・壁セット』で施工することをおすすめしています。なぜならば、おおよそ同じ時期に、次の塗替え時期を迎えるほうがコスト面でもお得と思っているからです。